水痘(みずぼうそう)の予防接種

水痘とはどのような病気なのでしょうか。 

 水疱が出現するウィルス性急性疾患です。水疱は全身に出ますが、手掌と足底には出ないのが特徴です。水疱出現とほぼ同時に発熱が見られることがありますが、発熱はないこともあります。一般にこどもは軽く経過しますが、大人は時に肺炎や髄膜炎等の合併症を併発し、重篤な経過をとることがあります。原因ウィルスは水痘ウィルスで、これは帯状疱疹の原因ウィルスと同じものです。帯状疱疹の大人と接触したこどもは、帯状疱疹にかかるのではなく、水痘になります。

水痘の予防接種は必要でしょうか。

 水痘予防接種の効果は約9割とされています。予防接種をしていても約1割の人は水痘に感染しますが、その場合は軽くすみますので予防接種の効果はあるといえます。こどもの水痘は軽くすむことが多いのですが、大人の水痘は重症になる傾向が多いようです。こどものうちに水痘にかかればよいのですが、最近水痘にかからないまま成人する事が多くなってきました。6才までに水痘にかからなかった場合は、予防接種が望まれます。またアトピー性皮膚炎のある人は、水痘が重症化する傾向があるので、予防接種は必要と考えられます。

接種時期はいつでしょうか。

 水痘の予防接種は公費負担の受けられる定期予防接種ではなく、自費負担になる任意予防接種です。そのため接種時期に関しては特別な規定はありません。接種時期の目安としては、全ての定期予防接種終了後または保育園、幼稚園、小学校入学前がその接種の目安となります。

どのような副反応があるのでしょうか。

 水痘予防接種には生ワクチンを投与するため、軽い水痘の症状が接種後2週ないし3週間後に見られることがあります。発熱や水疱の出現が報告されていますが、頻度は多くありません。発熱、水疱だけでしたら1日程度様子を見て下さい。症状がひどいようでしたら、医師に見せて下さい。水痘にかかりますと、水痘ウィルスは、治癒後も神経細胞内で長期間生存を続けます。老人なると再びそのウィルスが神経細胞から神経線維に沿って増殖を始めます。これが帯状疱疹という病気です。水痘ワクチンもほぼそれと同じような経過をとり、帯状疱疹は発症してきます。接種直後にアレルギー反応が起こり、全身に蕁麻疹が出たり、むくんだりする事があります。接種後20分は病院を出ないようにしましょう。接種当日の入浴は差し支えありません。接種部位は清潔に保つように注意して下さい。必要以上に注射部位をこすることはやめましょう。

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